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1ヶ月の入院費用、介護サービスを利用したときの費用

「もし、明日突然入院することになったら」
そんなこと、ふだんの生活のなかで意識することはあまりないかもしれません。でも、人生は時に予想もしない方向へと転がっていくものです。突然の病気、思いもよらぬケガ、大切な人の介護が始まる……。そんなとき、「お金のこと」は私たちにとって切実な問題となります。

最近では、医療も介護も「制度があるから安心」と思っている方が多いかもしれません。確かに、日本の公的医療保険や介護保険制度は、世界的に見ても非常に優れた仕組みです。ただ、その一方で「制度の中で本当にどこまでカバーされるのか」「いざというときの自己負担額はいくらになるのか」といったことまでは、意外と知られていないのが実情です。

そこで今回は、「1ヶ月の入院費用」や「介護サービスを利用したときの費用」について、具体的な数字や制度の仕組みも交えながら、できるだけリアルに掘り下げてみたいと思います。この記事を通して、「もしもの時」に少しでも冷静に備えるきっかけになれば幸いです。

まずは、1ヶ月の入院にかかる費用について見ていきましょう。

一般的に、1ヶ月入院した場合の自己負担額は、おおよそ30万円前後が一つの目安とされています。もちろんこれは、病気の種類や治療の内容、地域、そして入院する病院の設備などによって大きく変わってきます。

例えば、差額ベッド代。これは、いわゆる「個室」や「特別室」と呼ばれる部屋を選んだ場合に発生する費用ですが、ここが保険の対象外となるため、金額のインパクトはかなり大きいです。たとえば、1日あたり平均6,620円の差額ベッド代が発生する個室を選んだとしましょう。30日間の入院で計算すると、なんと198,600円にもなります。これは、治療費や食費と合わせれば、自己負担が簡単に20万円、30万円を超えてしまう要因となります。

では、すべての人がこれだけの費用を負担しなければならないのかというと、そんなことはありません。ここで鍵となるのが「高額療養費制度」です。

この制度、意外と知られていませんが、日本に住んでいる人であればほぼ全員が利用できる、非常にありがたい仕組みなんです。年収に応じて月ごとの自己負担の上限額が決まっていて、それを超えた分は後から払い戻されるというもの。つまり、どんなに高額な医療費がかかっても、収入に見合った「上限」でストップがかかる。これがあるおかげで、私たちは安心して治療に専念できるとも言えます。

例えば、年収が約370万円〜770万円の人であれば、月の自己負担限度額は「80,100円+(医療費−267,000円)×1%」という計算式になります。仮に入院費用が60万円かかったとしても、実際に負担するのは十数万円程度になるケースが多いのです。

もちろん、食費や差額ベッド代、消耗品費など、保険の対象外となる費用は別途発生します。ここは自己負担となるため、予算に余裕がある人でなければ、個室を避ける、病院のレンタルではなく持参できるものは持っていく、といった工夫が求められる場面もあります。

では、介護が必要になった場合の費用はどうでしょうか。

介護サービスも医療と同じく、保険制度に支えられています。65歳以上の方で、要介護や要支援の認定を受ければ、介護保険を利用してさまざまなサービスを受けることが可能です。

このときの自己負担割合は、原則として1割ですが、所得に応じて2割または3割になるケースもあります。ここで注意したいのは、「自己負担割合が上がる=毎月の支出がぐっと増える」可能性があるという点です。

例えば、訪問介護の「身体介護」の場合。1時間のサービスで約5,991円がかかるとしたら、1割負担なら599円、2割で1,198円、3割になると1,798円。これを週に3回、月12回利用すれば、それだけで1万円〜2万円以上の負担が生じます。

そして施設サービス、たとえば特別養護老人ホーム(いわゆる特養)に入所するとなると、自己負担額は月額で約8万円〜20万円程度。施設の設備や居室のタイプ、さらに入所者本人や家族の収入・資産状況によって大きく異なります。

また、居宅サービスに関しても、要支援1では月の支給限度額が約50,320円、要介護5では約362,170円とかなり幅があります。これはあくまで「保険でカバーされる上限額」であって、それを超えるサービスを利用すれば、その分は全額自己負担になる点にも注意が必要です。

たとえば、母が要介護2でデイサービスを利用していたときのこと。1回の利用料金は約1,500円程度でしたが、通所日数を増やすと支給限度額をオーバーしてしまい、追加で自費が発生した経験があります。「もう少し利用させてあげたい」という気持ちと「家計が苦しい」という現実の間で、何度も悩んだものです。

医療も介護も、「使うまでは自分とは関係ない」と思いがちです。でも、人生のある日突然、その当事者になる瞬間が訪れます。そのときに慌てずにすむよう、今から「お金」の視点で備えておくことが何より大切です。

具体的には、まずは高額療養費制度や介護保険の自己負担割合などの基本情報を押さえましょう。そして、自分や家族の収入に応じて、どの程度までカバーされるのか、どんなサービスを利用できるのか、シミュレーションしてみることをおすすめします。

また、医療費や介護費用に備えて、少しずつ「予備費」を貯めておくのも効果的です。いざというときの出費に備えるための貯金は、心理的な安心感にもつながります。

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