病院やリハビリ施設に入院している家族のこと、あなたは最近、会いに行けていますか?
「忙しくてなかなか時間が取れない」「行っても何を話したらいいか分からない」――そんな声をよく耳にします。でも実は、その“行けない時間”の間にも、患者さんの心や体にはさまざまな影響が生まれているのです。
ここでは、家族の面会が少ないことによって患者に起こりうる影響と、その対策について、分かりやすくお伝えします。もし「最近面会に行けていないな…」と思う方がいれば、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
面会がないと、患者の心はどうなる?
1. 孤独感と不安感――「私、忘れられてしまったのかも」
家族が来ない日々が続くと、患者さんの心にまず現れるのが、孤独感です。
「元気にしてるかな?」「寂しくないかな?」とこちらが思っているように、向こうもまた「誰も来てくれない…」と不安を抱えているかもしれません。特に、認知症や精神的な問題を抱える方にとって、家族とのつながりは“心の支え”そのものです。
例えば、以前私が関わったあるご高齢の女性は、認知症が進んだあとも「息子が来てくれるのを待ってるの」と、毎日玄関の方を見つめていました。その姿は、言葉にできない切なさがありました。
2. 回復のスピードに影響が出ることも
リハビリや治療に取り組むうえで、家族の存在が大きな励みになるのはご存じですか?
面会があるだけで、患者さんは「よし、もう少し頑張ろう」と前向きな気持ちになることが多いのです。逆に、誰も来ない状態が続くと、やる気が落ちてしまい、回復までの道のりが長くなることもあります。
「リハビリ、今日はちょっといいや…」そんな気持ちになってしまったら、せっかくの努力も水の泡ですよね。
3. 家族との“すれ違い”がストレスに
面会がないと、患者と家族とのコミュニケーションも減ってしまいます。
「今、何に困っているのか?」「どんなことで喜んでいるのか?」――こういったことが伝わらないままだと、お互いにすれ違いが生まれてしまうんです。
結果として、患者さんは「誰にも気持ちを分かってもらえない」と感じ、ストレスがどんどんたまっていってしまいます。
では、どうすればいい?今からできる具体的な対策
オンライン面会を活用してみよう
コロナ禍をきっかけに、ビデオ通話などのオンライン面会が広がりました。
「遠方に住んでいて、なかなか直接は会えない」という方も、スマホやタブレットさえあれば、ほんの数分でも顔を見せて声をかけることができます。
たとえば「今日は天気がいいね」「ごはん美味しかった?」そんな簡単な会話だけでも、患者さんの表情が明るく変わることもあるんですよ。
家族に情報を“見える化”する
面会が少ない背景には、「いまの様子が分からない」「何を話せばいいか分からない」といった不安もあるかもしれません。
そこで、医療スタッフが定期的に患者の状態を家族に伝えることが大切です。
「今こんなリハビリをしていて、少しずつ歩けるようになっていますよ」とか「昨日は◯◯の話題で笑っていましたよ」といった報告があるだけで、「じゃあ今度行ってみようかな」と面会へのハードルもぐっと下がります。
面会の「大切さ」を改めて伝える
多くのご家族は、悪気があって来ないわけではありません。ですが、面会の重要性について理解していない場合も多いのです。
だからこそ、「家族が来てくれるだけで、こんなに表情が変わるんですよ」といった具体的なエピソードや写真を使って伝えると、気持ちが動くこともあります。
また、「本人の回復には、家族の応援が欠かせないんです」と医療者からの一言があるだけでも、家族の意識は大きく変わります。
参加型のイベントやワークショップを開いてみる
患者と家族が一緒に過ごすきっかけづくりとして、施設側でイベントやワークショップを企画するのもおすすめです。
たとえば、簡単な手作り教室や季節の行事など、顔を合わせる口実を作るだけで、家族の関与がぐんと増える可能性があります。
何よりも「また来たい」と思えるような温かい空間を用意することが、長く支える力になります。
まとめ|面会は「行けたら行く」ではなく「できるだけ行きたい」
家族が面会に来ないことは、患者にとって思った以上に大きな影響を与えます。
心の不安、リハビリのモチベーション低下、社会との断絶感――これらはすべて、回復の妨げになってしまいます。
けれど逆にいえば、家族が少しでも関心を持ち、できる範囲で関わるだけで、患者さんの心と体には大きなプラスが生まれます。
「今日は忙しいけど、5分だけ顔を見に行こう」 「遠くにいても、ビデオ通話だけでもしてみよう」
そんな一歩が、患者さんの明日を変えるかもしれません。
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